酩酊(第一章)
今の私には「友人」がいない。
とは言っても家内と娘がいる。
そういう意味においては孤独でないが、それでも
私は「ひとりでいる」時間が大好きだ。
いつもMacBookを携行している。鞄がいつも重いのはストレスだが
仕事の合間に喫茶店でMacBookを開いて,日記のような散文を書きつけて
自分自身の内面と対話することが好きだ。
人とあまり会話をもたないぶん,そうやって自分と話をする。
読書は本当は大好きなのだが、最近はあまり活字を読んで
頭の中で咀嚼するだけのエネルギーがない。
思うに読書は会話とまったく同じだ。会話にせよ、互いが一方的に
言いたいことをただ垂れ流しているだけというのであれば、そういうものは
意味のないことだと思う。ただ相手に甘えているだけ。
私は誰かと話すとき、それこそ脳をフル回転させて相手が言いたいはずのことを
探り当てようとしてしまう。だから会話というのがとても疲れるのだ。
そして読書も——そういう本質を有する行為だと思う。私は読書することを通じて
著者の言い分に耳を傾けて、どこか相づちを打とうとしていると思う。
ただ、最近はどうもそのエネルギーがない。
酒を飲むとつい、こんな風な駄文を垂れ流したくなる。